orangeKid's blog

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メディアに踊らされないために自分の頭で考えよう

 

こんにちは。

 

既にご存知の方も多いかと思いますが、コロナウイルスへの対応について、

大阪の吉村知事がポビドンヨードでのうがいを紹介したせいで、

薬局やドラッグストアで買い占めや混乱が起こっているようです。

 

私は医療関係者では無いので、何が正しいのかを判断できる立場では無いのですが、

さすがに今回の発表はひどいと感じたので、このエントリを書いています。

 

発表時に使われた資料はこちらですが、私が気になったのは以下の4点です。

 

 

1. サンプルの数、母集団の選定について

 

資料では41名の療養患者の結果を示していますが、

効果として公に主張するには、余りに少ないN数だと思います。

(グラフにエラーバーもついてないですし。) 

 

また、母集団をどのように分けているのか、

ポビドンヨード以外の要因をどのように排除しているのか等、多くの疑問符がつきます。

 

 

2.「PCR検査の陽性頻度が下がる」ということについて

 

ポビドンヨードでうがいをするとPCR検査の陽性頻度が下がる」と主張していますが、

陽性頻度が下がることは、重症化を防ぐことや回復を促すこととは関係ありません。

 

PCR検査では、採取した瞬間に、

採取した場所にウイルスがいるかどうかが判定できるだけであり、

その後の病状がどのように進行するのかを判断するものではありません。

 

単にPCR検査の結果を陰性にしたいだけであれば、

強い酸やアルカリを飲むだけでも、同様の結果が得られると思います。

(水うがいとの比較については、1.のサンプルの問題があるので議論しません。)

 

さらに言えば、

本当は感染している(陽性である)にも関わらず、陰性という結果が出やすい、

という意味では、ウイルスの拡散を促進しているとも言えます。

 

「陽性率を下げる」「陽性患者を減らす」ことはゴールであって手段ではありません。

 

吉村知事がこのことについてどう考えているのか、良く分かりません。

 

 

3. 人体のバランスについて

 

人の体の中には様々な細菌が存在しており、

それらが絶妙なバランスで存在することで健康を保っています。

 

たしかに、薬品を使うことでコロナウイルスを死滅させることはできますが、

それと同時に、体にとって良い細菌も殺してしまうことになります。

 

その結果として、コロナウイルスは減ったが、別の病気に罹患しやすくなったとしたら、

何のためにコロナウイルスを殺したのか分かりません。

(コロナで死なないなら別の要因で死んでも良い、 という人はいいですが。)

 

この件については、以下の記事で医師の方がコメントされています。

 

news.yahoo.co.jp

 

 

4. 社会への影響について

 

大きな権限を持つ人間が、特定の薬品・商品を紹介することで、

社会にどのような影響を与えるのか、ということを考えて頂きたいと思います。

 

この会見後、多くの人が薬局に殺到し、ポビドンヨードを購入しており、

明日以降もこの混乱は続くものと思われます。

 

人が殺到すると、どうしても密な環境が発生しやすくなりますし、

薬局は病気の方や妊娠中の方が比較的多く利用する場所でもあるので、

感染の拡大や、感染した時の影響が大きい場所だと思います。

 

このような状況になることは容易に想像がつくと思うのですが、

なぜ、軽率に発言してしまうのでしょうか。

 

どうしても発言したいのであれば、

各家庭にポビドンヨードを配る手配を整えた上で発言するべきだと思います。

 

 

 

 

上述のように、素人の私が考えただけでも、

これだけ問題があるにも関わらず、止める人がいなかったことが残念です。

 

吉村知事としては、少しでも状況を改善したいという思いなのかもしれませんが、

専門家の意見を十分に聞いた上で、冷静に対応して頂きたいです。

 

権力者やメディアに踊らされないためにも、

自分の頭でちゃんと考えることを心掛けないとな、と改めて思いました。

 

それでは。

 

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