サッカー選手の海外移籍について思うこと
Twitterでも書きましたが、
日本のプロスポーツ界を経由せずに海外挑戦したことが問題視されています。
手放しで喜べない新卒ナンバーワン選手のドイツ行き(小澤 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
グローバルなスポーツの場合、
一番盛り上がっている地域に人材が集まってしまうことは仕方が無いと思いますが、
このような移籍をどのように捉えるのかは考える必要があります。
サッカーの場合は、基本的には移籍金(違約金)を支払えば、
選手の移籍は比較的容易です。
日本の場合、チームの資金が少なかったり、若い選手が将来的な海外移籍を考慮して、
単年契約を結んでいることが多いため、
契約終了後に移籍金無しで選手が移籍してしまうケースが問題となっていました。
移籍制度の変更は日本サッカーに何をもたらすのか | フットボールチャンネル
移籍金を得られない問題については、
複数年契約を結びたくなるようなインセンティブ(年俸の引き上げ等)を与えたり、
海外移籍条項を盛り込むことによって、改善していくことは可能だと思います。
問題は、報道機関やサポーターが、
選手を正しく評価することができていない状況だと考えています。
マンチェスターユナイテッドに所属する香川選手の年俸は5億2,000万円、
インテルに所属する長友選手は1億5,000万円、
来年からACミランに所属する本田選手は7億7,000万円と言われています。
(データ元はこちら。信憑性は何とも言えませんが。。。)
彼らが日本にいた時の年俸は、
香川選手:2,800万円、長友選手:2,500万円、本田選手:2,000万円
ですが、年俸の差もさることながら、彼らに対する注目度が全然違います。
香川選手がセレッソ大阪にいた時に、試合を見に行った人がどれだけいるでしょうか。
同様に、長友選手はFC東京、本田は名古屋グランパスにいましたが、
彼らがJリーグに所属している時に、どれだけ注目されていたでしょうか。
目の肥えたサッカーファンはJリーグ時代から注目していると思いますが、
多くの日本人はヨーロッパで活躍して、初めて評価をする傾向があるように思います。
つまり、契約やお金の問題はともかく、
報道の仕方やファンの目線が一番大きい問題なのだと思います。
「流出してしまう」と騒ぐのであれば、
その前からもっと評価して、応援してあげれば良いのではないでしょうか。
注目度が高ければ、お金も集まりやすくなりますし、集客力も高くなります。
今の柿谷選手や山口選手が良い例ですね。
J1セレッソ大阪、撮影会や独自グッズ特典も!!@日刊工業新聞
スタジアムに足を運び、良いプレーには拍手を送り、
そうでないプレーにはブーイングをすることで、
選手のレベルが上がり、ひいてはJリーグが盛り上がるのだと思います。
裾野を広げて行くことで、どんどん良い選手は発掘されていくでしょう。
そうすれば海外に移籍してしまうことを、
そこまでネガティブに捉える必要は無くなるのではないでしょうか。
最近の海外チーム所属の日本人選手の報道を見ていると、
移籍すること自体が問題なのではなく、
むしろ、海外に行くまで注目しないメディアやファンが問題なのだと思います。
選手のスキルは一流レベルまで高まっているのに、
周りを取り巻く環境が一流レベルに達していないことがとても残念です。
海外に行く選手ばかり追いかけるのではなく、
もっと身近にいる素晴らしい選手にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
(今年の中村俊輔選手は本当に素晴らしかったですからね。)
それでは。
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