orangeKid's blog

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【読書】もうあかんわ日記

 

だいぶ前に購入して、なかなか読む時間を作れなかったのですが、

「もうあかんわ日記」を楽しく読みました。

 

 

どんな本かというと、本書の冒頭に書かれている

人生は、ひとりで抱え込めば悲劇だが、

人に語って笑わせれば喜劇だ。

という言葉通り、

岸田さんに降りかかる大変な出来事をみんなに語って笑ってもらおうという本です。

 

岸田さんについてはご本人のnoteを、

この本については岸田さんのnoteのこちらの記事を読んで頂ければと思いますので、

私のブログでは感想を書きます。

 

 

 

まず、最初に書いておきたい感想として、

不謹慎ではあるけれど、本当に毎日大変なことが起こるのに、

それらを岸田さんが前向きに対処し、しかも笑い話として文章化していることに

感動しました。正にユーモアとチャーミングが同居する方です!

 

私が同じ状況になったとしたら、

毎日ヘトヘトになってしまい、社会を恨み、Twitterに愚痴を書くことはできても、

多くの人を笑顔にする文章を書くことは絶対にできません。

 

この本に書かれているような一見すると(もしくは実際に)マイナスの出来事でも、

そのベクトルの向きを真逆に変えて、プラスのアウトプットにしてしまう能力は、

多くの人が身につけるべきだと思いました。

 

とは言え、人には限界というものがあるので、

当然ですが、できるだけマイナスの出来事は起こらない方が良いですし、

彼女が本当に楽しく笑える日が増えることを願ってやみません。

本書の最後にも書かれていましたが、

本に書けない本当にあかん話もたくさんあったようなので。。。

 

 

次に、この本を読んで考えたことを2つ書きます。

 

 

1つ目は「障害者」という区分についてです。

 

彼女の弟さんはダウン症なので、一般的な区分としては障害者に該当しますが、

この障害者という区分にどういう意味があるのか、改めて考えさせられました。

 

本書の中でも記述されていますが、

「健常者」と「障害者」を分けるルールは、

大多数を占める側(つまり健常者側)の都合で勝手に決められており、

そのルールから外れている人を障害者と定めているに過ぎません。

  

ルールを定めるのであれば、障害者とされている人が、

それによって助かるように運用するべきだと思いますが、

今の日本を見ていると、どうしても逆の運用方法になっているように思えます。

 

つまり、健常者が生活しやすくするために、

障害者という区分を設けているように思えてなりません。

 

この問題は、障害者だけでなく、

妊婦の方や車椅子の方への対応についても言えることで、

日本では、社会のルールや建物の設計が、

一定の健康状態・身体状況・認知能力を有している人をベースにし過ぎていて、

そこから外れる人にとって非常に使いにくいものとなっていることに加え、

そういった方が利用することをハナから想定していないように見えます。

 

人は誰もが、病気や不慮の事故によって、 

明日にでも万全の状態でいられなくなる可能性を抱えて生きています。

 

そもそも歳をとることを考えたら、

将来的には間違いなく体や頭に支障をきたすことになります。

 

その時に、自分がどのように生活したいのかを考えたら

今のような状況にはならないと思いますが、

その辺の想像力が著しく欠けているように思えてなりません。

 

多様性を受け入れるためにも、

できるだけ多くの人が快適に過ごせるようなルールづくりをするべきですし、

立場が弱い人が、そのルールがあって良かったと思えるルールを作るべきです。

 

 

 

2つ目は社会福祉の在り方です。

 

岸田さん一家の大変さについては本を読んで頂くとして、

こういう境遇の人をしっかりと助けることが、

社会福祉の本来の在り方なのではないか、と感じました。

 

政府は様々なセーフティネットを用意してくれていますが、

本当にそれらが有効な内容になっていたり、

申請が簡単にできるようになっているでしょうか。

 

必要な人が、いつでも、簡単に支援を受けられるのが、

社会福祉の理想だと思いますので、

岸田さん一家のような境遇の方の負担が減るような仕組みを

一日も早く実現するべきではないかと思いました。

(彼女ならそういう働きかけもできるような気がします。)

 

 

以上、小難しいことを書きましたが、

本書は楽しく、笑顔になれる内容なので、構えずに読んで頂ければと思います!

 

これからも、岸田さんの著作に期待しております!

 

それでは。