orangeKid's blog

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才能を発掘するには裾野の広さが必要である

 

こんにちは。

今回は「才能の発掘」について話をしたいと思います。

 

 

以前のエントリでも書きましたが、

ご存知の通り、藤井七段が大きな注目を集めており、

将棋界全体にとって非常に有難い存在になっています。

 

第2、第3の藤井七段が出てくることを誰もが望むと思いますが、

彼のような才能を持った人は(当然ですが)滅多に現れません。

 

じゃあどうすれば出現率を高められるか、ということですが、

2つのアプローチがあると思います。

 

 

1. 裾野を広げる

 

才能はロングテールのような分布になっていると考えていて、

上に行けば行くほど、人数は減っていきます。

 

母数に依らず出現率は一定なので、上の方の人数を増やそうと思ったら、

母数を増やしていくしか無いと思います。

(母集団によって、出現率の差は多少あるかもしれませんが。)

 

藤井七段がいることの有り難さは正にこの点で、

彼の活躍を見て、多くの子供(場合によっては大人も)が将棋を始めることで、

今後は母数が増加することが期待されます。

 

それによって、才能のある子供を発掘できるチャンスが増えるので、

藤井七段を超える才能が現れる可能性もグッと高まると思います。 

 

 

 

少し話は変わりますが、サッカー好きの中には、

欧州サッカーのトップリーグを見ると、Jリーグと差がありすぎて、

Jリーグが存在する意味は無い(そして見ない)という主張をする人がたまにいますが、

私は全くその意見に同意できません。

 

先ほども説明した通り、裾野を広げることこそが重要であり、

様々なレベルで挑戦できることが重要だと考えるからです。

 

 

欧州のトップリーグが強い理由は、

カテゴリとチーム数が圧倒的に多いことだと思います。

 

例えば、スペインリーグの場合、カテゴリが9〜10段階に分かれており、

上から4つ目のカテゴリまでに所属するチーム数は約460チームもあります。

 

一方で、日本サッカーで同様のカテゴリ(J1 / J2 / J3 / JFL)に所属するチーム数は

約60と圧倒的な差があり、この差がレベルの差に直結していると思います。

 

このように、参加する人数が増えることで、才能発掘のチャンスが増え、

初心者から上級者まで、自分に合ったカテゴリでプレイできる

環境が整っていることが重要です。

 

個々のプレーヤーで考えると、欧州リーグに移籍できるので問題無いのですが、

日本サッカーのレベルを上げようと思ったら、チーム数の増加が必要だと思います。

 

 

※ スペインサッカーとの比較についてはこちらのブログが分かりやすかったです。

 

 

 

 

2. 見つけた才能を伸ばす、育てる

 

もう一つは、才能ある人を見つけた時に、

その才能を着実に伸ばしてあげることが重要だと思います。

 

例えば、プロ野球の場合、毎年ドラフト会議が行われ、

各球団が最大10巡目(最大120名)まで指名を行い、

国内の有望な選手がプロ入りしますが、

その中でも(定義にも依りますが)成功できる選手はごく一部だと思います。

 


才能ある選手を見つけることも重要ですが、

それと同じように、その才能を伸ばしてあげることも重要です。

 

特に、ごく稀に出てくる天才的な選手については、

その才能を潰さないように業界全体で育てる姿勢が必要だと思います。

(将棋界であれば藤井七段、サッカー界であれば久保選手など)

 

 

 

今回は発掘と育成の両面から書きましたが、

発掘しないことには、育成もできないので、

タイトルに書いた通り、発掘するための環境を整えることが重要です。

 

 

これはビジネスにも言えることで、大企業しか無い社会よりも、

小さな会社やベンチャー企業が多く存在する方が、

イノベーションが起こりやすいと考えています。

 

日本政策投資銀行資料に興味深いデータが載っていますが、

現在よりも80年代初頭の方が開業率が高かったということもあり、

その後の経済成長に寄与したことが窺えます。

 

暗い話題が多い日本の経済状況ではありますが、

そのような中でも、才能のある人材や企業を発掘し、育てていけると良いと思います。

 

それでは。