orangeKid's blog

考えていることを書いていきます/ツイッターもやってます(@orangeKidGreat)

既存の思考パターンから脱却するには

 

MITの衝撃動画「7本の指」片手の能力が向上するとどうなるか | FUTURUS(フトゥールス)

 

少し古いニュースになりますが、

この動画を見て、自分の頭が固いことを実感しました。

 

ロボットを使って高性能な手を作ろうと思った時に、

僕はまず、「5本の指をどのように効率的に使うのか」ということを考えましたが、

そもそも5本である必要がない、ということに気づく必要がありました。

 

 

暗黙の内に前提条件と考えてしまっていることについては、

僕たちはなかなか思いを巡らせることができません。

 

どうしても既存の枠の中でものを考えてしまっていたり、

ありきたりな発想からスタートしてしまったりします。

 

これを打破するためには2つの方法があると考えていて、

一つは、色々な情報を収集してとにかく自分の枠を拡げること

もう一つは、知識で発想するのではなく本質を考えて発想することです。

 

 

一つ目は、割と単純なやり方で、

知識を増やすことによって自分の中の発想の選択肢を拡げよう、という方法です。

 

自分が知らないことについて考えるのは難しいので、

やはりある程度、知識を得ておかないとものを考えることはできないと思います。

 

学校の授業等は主にこの観点から行われているのではないでしょうか。

 

 

二つ目は、比較的難しいやり方ですが、

問題の本質についてゼロベースで考えるやり方です。

 

冒頭に紹介した通り、ロボットを使って手を作ろうと考える時に、

「5本指をどのように効率良く使うか」を考えるのではなく、

「効率良く作業するには、そもそも指は何本必要なのか」を検討する、

という考え方です。

 

7本指という結果だけを見ると、当たり前に受け入れてしまいますが、

7本指という発想に至るのは簡単ではないと思います。

 

以前、テスラモーターズCEOのイーロン マスクがインタビューで、

大手自動車メーカーが電気自動車を上手く作れないのは

既存の自動車の設計をベースに考えているからであり、

電気自動車としての最適な設計をゼロベースで考えないと、

良い電気自動車を作ることはできない、

と言っているのを読んで驚いたことがあります。

(ソースが見つかりませんでした...すみません)

 

経験がアドバンテージになるケースも多いですが、

逆に発想の幅を狭めてしまう可能性もあります。

 

 

そういう意味では、今回紹介した二つのアプローチは、真逆のやり方でもあるのですが、

それぞれの長所を活かせるように、柔軟に考える必要がありますね。

 

それでは。

【書評】敵を味方に変える技術

 

仕事柄、色々な人と話や交渉をする機会が多いのですが、

他人に何かを理解してもらったり、納得してもらうことは本当に難しいと感じています。

 

考えてみると、僕たちの日常は交渉ごとにあふれていて、

家族、友人、仕事関係の人と日々、様々な交渉をしていることに気がつきます。

 

夕飯を何にするか、次の休みにはどこに旅行に行くか等、

ささいなことではありますが、誰かと一緒に決めようとするとなかなか大変ですよね。

 

そういう時にどのようなことに気を付けて会話をすれば良いのか、

ということを解説したのがこの本で、

最近読んだ中では一番ためになったかもしれません。

 

敵を味方に変える技術

敵を味方に変える技術

 

 

中身について書くと時間がかかりそうなので、

ためになった目次の項目だけピックアップしておきます。

 

■ 第1の原理 自分の感情をコントロールする

 - 「反応」するな、「対応」せよ

 - 説得の限界を感じたら議論を打ち切る

 

■ 第2の原理 お互いの信念の違いを理解する

 - 信念と真実の違いを意識する

 - 相手の振る舞いを好意的に解釈する

 - 相手のものの見方を学ぶ

 

■ 第3の原理 相手のプライドを尊重する

 - 相手に恥をかかせない

 - 相手を「重要な人」として扱う

 - 手書きの感謝状を出す

 - 反論するときは相手への経緯を忘れない

 

■ 第4の原理 適切な雰囲気をつくる

 - 「あなたの意見に賛成だ」と言ってから自分の意見を伝える

 - 自分ではなく相手の利益を優先しているという姿勢を見せる

 

■ 第5の原理

 - いやなことを言われたら視点を変える

 - 前置きの言葉でやわらげてからアドバイスする

 - 相手のために逃げ道をつくっておく

 - 自分から友好的な姿勢を見せる

 - 相手との共通点を見つけて、さりげなくアピールする

 

基本的な内容が多いのですが、

自分ができていないことが沢山あることに気づきました。

 

冷静な時には理解できていることでも、

少し冷静さを欠いた状況になるとすっかり忘れてしまうので、

いつでも余裕を持って相手に接することができるように気を付けたいものですね。

 

内容がよく整理されているので、1〜2時間程度で読めてしまうと思います。

 

人間関係に悩んでいる人にオススメです。

 

それでは。

 

敵を味方に変える技術

敵を味方に変える技術

 

 

【書評】天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。

 

ちょっと変わったタイトルですが、

この本には努力を継続するための具体的な方法論が書かれています。

 

著者の山口真由さんは、

東大を首席で卒業し、官僚、弁護士とエリート街道を歩いて来た面白い方です。

 

詳しくはイケダハヤトさんのエントリに書いてあるので割愛します 笑。

東大首席→財務省官僚→弁護士という超エリート・山口真由さんの努力論がすばらしい : まだ東京で消耗してるの?

 

この本には具体的な方法が書いてあるので、

自分の参考になる方法については積極的に取り入れると良いと思います。

 

以下、個人的に参考にしたいと思ったポイントを書いてみます。

 

天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある

天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある

 

 

「朝食は早めに、昼食は遅めに」

 

- 毎日疲れている人は、食事時間の取りかたが少し下手だというのが私の持論です。

 

- たとえば朝9時半定時の会社の場合、2時間程度しか働いていないのに、お昼になったらそこでお昼休みが入ってしまいます。このブレイクはコストパフォーマンス的にももったいないのです。

 

- そのため、私は昼食を14時前後に摂るようにしています。

 

この方法は結構簡単な割に、効果が大きい気がします。

 

前述の通り、集中力の問題もありますし、

お昼時はお店が混雑しているため、待ち時間によるストレスもあります。

 

人と少し違うリズムで生活するだけで、かなり生活環境は改善されますよね。

 

 

「なぜ人は一生懸命選んだ手帳を一ヶ月で使わなくなるのか」

 

- 目標を立てるときに、厳格なスケジュールを立てる人がいます。(略)残念なことに、そういった厳格なスケジュール管理はほとんど意味がないのです。

 

- スケジュールを組んでしまうと、達成できていない自分の姿をまじまじと見ることになってしまいます。 

 

継続するための工夫として、できるだけ挫折感を味わう機会を減らし、

小さな成功体験を重ねることが有効だと考えています。

 

厳格にスケジュールを組むことで、自分が縛られてしまい、

当初の目標やモチベーションを失ってしまう可能性が高いので、

ある程度、バッファーを持たせてスケジュールを組むと良いと思います。

 

 

「努力はまわりに見せること!」

 

- 陰の努力は美徳というように思われていますが、陰で努力をしてしまったら、結果が残せなかったときは、その努力は誰にも評価されずに終わってしまいます。

 

実力主義」というと、どうしても結果のみで評価されると考えがちですが、

実際はその経過とセットで評価される場合がほとんどだと思います。

 

過剰に自分の頑張りをアピールする必要はありませんが、

努力を隠す必要も無いのではないでしょうか。

 

自分が頑張っている姿を見せることで、他人に良い影響を与える場合もありますし、

誰かが助けてくれることもあるでしょう。

 

そういう意味でも、人前で堂々と頑張れば良いと思います。

 

ルールに「抜け道」を作る

 

- ルールを決める際には、必ず「抜け道」が必要であるということです。また、その「抜け道」は自分を説得するための、正当な理由がつけられることがポイントです。

 

- 厳格なルールを設けていると、抜け道の機会を得られたら、とても幸福に思えてきます。厳格ルール下で、こういった幸福を感じると、人は努力を最後まで完遂することにも繋がります。

 

前述のスケジュールの話にも書きましたが、

ルールには必ず抜け道を作っておくべきでしょう。

 

いざという時に自分を守ることができますし、

100%ルールを守ることを自分に課してしまうと、

そのプレッシャーに負けてしまう場合もあると思います。

 

ちょっとした余裕が、長期的に見るととても大事な気がしています。

 

 

以上、一部を紹介しましたが、著者がとても面白い考え方をしていて、

参考になる部分がたくさんありました。

 

著者の時間の使い方を考える時の優先順位については、

 ついでにいえば、私にとって恋人とのプライベートは文字通り二の次です。地球の総人口70億人のうち半分は男性です。少々ストライクゾーンを拡げれば、そのうち半数は適齢期といえるでしょう。そのため、個人的には、恋人は代替不能な存在ではないと思っています。

 と述べる等、少し一般の人とは異なった考え方をしているところも面白いです。

 

多くの人が愛とか恋人を特別視し過ぎている傾向があるように思っているので、

とても共感できました 笑。

 

参考にならない部分も無い訳ではありませんが、

全体としては読む価値のある面白い本だったと思います。

 

それでは。

 

天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある

天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある

 

情報の価値について

 

皆さんはどのように情報を収集しているでしょうか。

 

古くからあるメディアとしては新聞、雑誌、テレビがありますし、

最近ではブログやニュースサイト等、ネット経由で情報を入手することができます。

 

また、セミナーやカンファレンスに参加して、直接人から話を聞く場合もあるでしょう。

 

 

情報の価値は希少性と密接に関わっているので、

基本的には手に入りにくい情報ほど価値が高いと考えられます。



「手に入りにくい」ということの具体的な例として、「時間的な新しさ」がありますが、

この「新しさ」ということについて少し書いてみたいと思います。

(前置きが長くなりました 笑)

 

というのも、僕がブログを書く意味とは何か、

ネットの向こうにいる人に届けられる情報とは何か、ということを考えているうちに、

情報の価値や質について考えたので少し整理したいと思ったからです。

 

 

個人的には、「新しい情報」は以下の3つに大別することができると考えています。

 

1. 過去に誰も知らなかった情報

2. 既存の情報を組み合わせて生まれる情報

3. 個人の考え、経験等のプライベートな情報

 

 

1番目のタイプの情報は、科学的な発見等が該当します。

 

例えば、火星に新しい生物がいた、という情報や、

ヒトの酵素に関するメカニズムが解明された、といった発見は、

未だかつて誰も知らなかった情報になります。

 

当然ですが、このような情報には大きな価値があります。

 

 

2番目に分類される情報は統計データが当てはまると思います。

 

既知となっている複数の情報に基づいて、関係性を調べた結果、

今までは気づかなかった相関が発見される、というケースです。

 

元の情報は既に知られているため、その情報自体の価値は高くありませんが、

「組み合わせた」という点において、新規性が生まれています。

 

広義に考えると、ニュースのキュレーションもこのタイプに分類されると思います。

 

簡単に言えば、バラバラになっている情報を統合することで、

新しい情報を生み出すことができる、ということになるでしょうか。

 

 

3番目はプライベートな情報です。

 

出発点が個人に立脚しているため、情報の新しさという点においては、

これ程価値のある情報も無いような気がします。

 

このタイプの情報の価値でポイントとなるのは、誰の経験や考えなのか、という点です。

 

イチローが何を考えているかを知りたい人と、

僕が考えていることを知りたい人を比較すると、間違いなく前者の方が多い訳です。

 

しかしながら、僕がブログで提供できる情報は圧倒的にこのタイプの情報が多く、

頑張れば2番目のタイプの情報が提供できるかどうか、という感じです。

 

1番目のタイプの情報を提供できればすごく面白いですが、

伝達方法として、ブログというメディアは少し不向きな気もします。

 

 

そう考えると、僕個人への興味を高めていくことでした、

僕が出す情報の価値は上がっていかないのだと思います。

 

じゃあ僕への興味を持ってもらう方法として何ができるかというと、

基本的には、面白いと感じてもらえるエントリを書き続けて、

orangeKidは面白いこと考えているなぁ、と思ってもらうことしかないでしょう。

 

ということで、これからも頑張って書いて行きたいと思います 笑。

(竜頭蛇尾なエントリになってしまいました。。。)

 

それでは。

 

情報の価値を見極めるためのたった3つの質問 | ライフハッカー[日本版]

 

モノから情報へ (-価値大転換社会の到来)

モノから情報へ (-価値大転換社会の到来)

 

遺伝子検査キットに対する懸念

 

先日、Yahooが遺伝子検査サービスを提供することが発表されました。

203遺伝子・70項目に対応する遺伝子検査キット「GeneLife ZERO」、3月1日より「Yahoo!ヘルスケア」で取り扱い開始 / プレスルーム - ヤフー株式会社

 

Yahooに先行する形で、いくつかの会社が遺伝子検査サービスを提供しており、

ここ2〜3年で遺伝子検査に関する環境は劇的に変わりそうですね。

 

有名なところだと、

東大大学院出身者によるベンチャー企業であるGene Questや、

ソーシャルゲームで有名なDeNAMYCODEという名前でサービスを提供しています。

 

また、DHCも肥満関連遺伝子に特化した形でサービスを提供しているみたいです。

(参考:遺伝子検査ならDHC

 

自分自身の遺伝子を自らの判断で検査することについては僕は賛成です。

 

自分の体質の理解にも繋がりますし、

将来的に防ぐことのできる病気を見つけられる可能性もあるため、

メリットは大きいと思います。

 

 

その一方で、個人的には2つ懸念していることがあります。

 

1つ目は、サービスを受ける側の生物学的なリテラシーの問題です。

 

僕は大学での専門が分子生物学遺伝子工学であったため、

遺伝子検査の結果についてある程度、正しく理解することができると思っていますが、

このようなバックグランドが無い人が、

遺伝子検査の結果をどのように受け止めるのか、ということについて懸念があります。

 

一卵性双生児を見ても分かる通り、

遺伝子的には全く同じヒト同士であっても、同一の人物になるわけではありません。

 

そのため、遺伝性疾患などの場合は高い確率で予測することが可能かもしれませんが、

その他の病気について遺伝子から発症を予測することはかなり難しいのではないか、

と個人的には考えています。

 

遺伝子によって個人の病気や傾向を判断することについて、

多くの人はどのように受け止めるのでしょうか。

 

 

2つ目の懸念は、生命保険等の他のサービスや世の中に与える影響です。

 

安価で簡単に遺伝子検査ができるようになると、保険への加入条件として、

遺伝子検査データの提出を義務づける会社が出てくることが予想されます。

 

その場合、本人は遺伝子検査を受けたくないのに、

保険に入るために半ば強制的に受けるケースが出てくるかもしれません。

 

知りたくないならデータを提供するだけにして、検査結果を見なければ良い、

という主張もあると思いますが、

遺伝子検査の結果を見た保険会社がその人の加入を拒否した場合に、

本人は意図せずに(間接的に)結果を知ってしまう可能性があります。

 

遺伝子検査が一般化すると、

保険に限らず、様々な場面において、その結果データが利用される可能性がありますが、

自分の遺伝子について知らない権利をどのように守るのか、

ということに懸念を持っています。

 

 

基本的には自分の遺伝子を自分で調べるケースが多いと思うので、

前述の懸念は杞憂かもしれませんが、

新しいサービスが世の中に与える影響については良く考える必要があると思います。

 

それでは。

 

 

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僕が漫画喫茶が好きな理由

 

少しブログを書いていない間に、すっかり更新間隔が空いてしまいました。

今日から改めて更新していきます。

 

 

最近、休日に漫画喫茶に行く機会があったのですが、

家で漫画を読むよりも、遥かに集中して(?)漫画を読むことができ、

満足感が高かったです。

 

というのも、僕の場合は、

本を買う時に、「買ったからいつでも読める」という気持ちが生まれてしまい、

「いつ読むのか」をしっかり考えずに購入してしまう場合が多く、

結局、読んでいない本が結構あります。

 

家で本を読もうとしても、掃除をしてしまったり、

仕事のメールをチェックしてしまったりして、

なんだかんだ読む時間を取るのが難しいことに気がつきました。

 

電車や飛行機での移動などがあると、とても良いのですが、

1時間以上乗り続ける機会はなかなかないので、

日常的に本を読む時間として使うのは難しいです。

 

 

その点、漫画喫茶の場合は掃除をする心配もありませんし、

共有PCで仕事のメールをチェックすることもないので、

事実上、漫画を読むしかない状態を作ることができます。

 

しかも、いい感じに外部と遮断されている感覚を持つことができるため、

ちょっとした非日常の中で読みたかった漫画を気が済むまで読めます。

 

僕が良く行く漫画喫茶は3時間 1,500円なので、他の活動と比べると圧倒的に安いです。

 

 

漫画喫茶の魅力は、

漫画を読む権利を買うと同時に、読む時間も手に入れられる点にあると思います。

 

権利だけ持っていてもほとんど意味はなく、権利を行使する機会も手に入れることで、

初めてその権利に意味が生じるのだ、ということを感じました。

(大げさではありますが。。。笑)

 

皆さんも、読みたいけど読んでいない漫画が溜まっている時は、

漫画喫茶に行って読むと、圧倒的なスピードで読むことができるので、

本当にオススメです。

 

まあ、漫画ばっかり読んでいても仕方ないんですけど。。。

 

それでは。

 

 

パラレルキャリア時代が来ると考えている理由について

 

少し前の記事になりますが、

西村創一朗さんの以下のエントリがとても面白かったです。

Combinatorはパラレルキャリア時代をつくるか。副業禁止規定に屈するか。 | Now or Never

 

LinkedInやWantedlyをはじめとして、

就職、転職を支援するサービスが充実している中、

Combinatorというプロジェクト単位で仕事を請け負うためのサービスが始まりました。

 

個人的な予測ですが、Combinatorのようなサービスをきっかけとして、

「自分が所属している会社の仕事にフルコミットする」という考え方は

将来的には無くなっていくのではないかと思います。

 

そう考える理由は2つあって、

1つ目は一社に所属しつづけた場合のリスクが高まっていること、

2つ目は一つの会社では自分のやりたいことが全てできるわけではないこと、です。

 

 

1つ目の理由について説明します。

 

昨今、人材の流動性や市場が変化するスピードが高まっているため、

会社での自分のポジションが保証されなくなってきているように感じています。

 

もちろん、一部の会社においては終身雇用が維持されて、

一度会社に入ってしまえば安心という場合もあるとは思いますが、

多くの会社においてはそのようなケースは稀ではないでしょうか。

 

もし、今所属している会社から何らかの理由で離れなければならなくなった時に、

次の仕事をスムーズに見つけるのは簡単ではありませんが、

自社の仕事と並行して、社外のプロジェクトや仕事に関わっていれば、

そのような場合でも全ての仕事を失うことはありません。

 

自分の仕事のポートフォリオを多様化しておくことで、

不測の事態に対応しやすくなると思います。

 

これが一つ目の理由です。

 

 

もう二つ目の理由についても書きます。

 

簡単に書くと、「やりたいと思っていることの全てが会社の中にあるわけではない」

ということです。

 

当たり前の話ですが、会社にいる自分が自分の全てではありません。

 

ボランティア活動をもっと積極的にやりたいと考えていたり、

自分の趣味を何らかの形で価値のあるサービスとして提供できないか、

と考えたりする人は多いのではないでしょうか。

 

そういう時に、じゃあ全ての時間をボランティアに使えばいいじゃないか、

という議論はすごく乱暴だと思っていて、

今は仕事 95:ボランティア 5 の比率でやっているけど、

これを70:30くらいにする、という選択肢はあって然るべきだと考えています。

 

自分の中にあるやりたいことをパラレルキャリアによって実現することは、

社会全体にとってメリットが大きいと思います。

 

これが二つ目の理由です。 

 

 

では、何がパラレルキャリアを阻むのか、ということについても少し書きます。

 

パラレルキャリアを阻む一番大きな理由は

現在の日本社会において仕事と給与の関係が不明瞭であることだと考えています。

 

働いている人の多くは1日の大半を職場で過ごし、

1ヶ月に1度、給与をもらっていると思いますが、

具体的にどの仕事によっていくらもらっているかを説明できる人は、

自営業者を除くとほとんどいないと思います。

 

つまり、仕事と給与があまりリンクしておらず、

その人が会社にいることの価値自体にお金が払われているような状態です。

 

このような状況においては、社員が別の仕事を始めたいと言った時に、

どれだけ給料を減らせば良いのかを計算することは簡単ではありません。

 

そのため、「余計なことを言わないで会社の仕事に専念しろ」ということになります。

 

プロジェクト単位で働く、というのはこの対極にある概念で、

自分の役割とそのために支払われる給与は明確です。

 

グローバルな視点で仕事を考えると、

仕事と給与の関係が曖昧なのは特殊だと思いますが、

終身雇用や年功序列が一般的な日本では違和感無く受け入れられるのかもしれません。

 

このような対立が発生している中では、

なかなかパラレルキャリアという考え方はすぐには浸透していかないように思います。

 

ただし、様々なサービスを通じて、

パラレルキャリアの実現に向けた機運は高まっていると思うので、

将来的には間違いなく浸透していくでしょう。

 

将来を見据えて自分の働き方を考える必要があると思います。

 

それでは。

 

 

人生が変わる2枚目の名刺~パラレルキャリアという生き方

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ワーク・デザイン これからの〈働き方の設計図〉

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