【書籍】勝ち続ける意思力
昨日のエントリで書いた通り、
今日は梅原大吾さんの「勝ち続ける意思力」を紹介します。
ゲームが好きな方の中には知っている人もいるかもしれませんが、
そこまで有名な方では無いかもしれません。
プロゲーマーという職業を通して、
彼が試合に勝ち続けるために必要なことを書いていますが、
参考になる部分がかなり多いので、是非、読んでみてください。
ゲームという極めて特殊なジャンルで培ったものではあるけれど、そこに人が関わり、なおかつ競い合い、勝敗という形で明確な結果が出る以上、勝つための努力や思考法は、一般の生活や仕事にも応用がきくものであると思う。
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とりわけ重要なのは、本書に書かれていることは、ただ勝つのではなく、「勝ち続ける」ことに主眼を置いているという点である。
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「99.9%の人間は勝ち続けられない」
自分の言葉ながら大袈裟だとは思うが、勝ち続けるのはそれくらい難しい。
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ほとんどの人は、実力がつけばつくほどに自分なりのスタイルというものを確立してしまう。
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さらに危険なのが、自己分析して自分のスタイルを決めるのではなく、他人の評価を鵜呑みにしまうことだ。自分の持ち味はこれなのだと勘違いして、それを生かして勝とうとする。当然、結果は出ないし長続きもしない。
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勝ち続けるためには、勝って天狗にならず、負けてなお卑屈にならないという絶妙な精神状態を保つことで、バランスを崩さず真摯にゲームと向き合い続ける必要がある。
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自分が勝てたのは知識、技術の正確さ、経験、練習量といった当たり前の積み重ねがあったからで、得体の知れない自分という存在が相手を圧倒して手にした勝利などでは決してないということ。
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最強ではないが楽に勝てる方法はたくさんある。
しかし、そんな方法を使っては僕が戦う意味がない。だから、誰にでもできる戦法は選ばないし、それによる不利を苦とも思わない。
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本来的な強さとは、相手の動きが読めてもそこを突かず、己の実力で勝つことで磨かれていくものだ。
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こうすれば強くなれる。王道と言えるそんな方法も、ほとんど存在しない。
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「梅原大吾の最大の武器は何か?」
そう聞かれたら、
「どれだけ殴られても、あきらめずに起き上がって戦うところ」
自信を持ってそう答える。
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誰にでも、何をしている人にでも、「ちょっと気になること」というものがあるはずだ。(略)経験上、その気掛かりをそのまま放置してはいけない。(略)そうやって無視していると、後になって必ず痛い目に遭う。
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少しの変化を見逃さないで、毎日のように変わろうと意識していると、いずれ大きな変化 ー 覚悟が必要になったときに躊躇せずに行動することができる。
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ほとんどの人は、新しいことをする前に人からの評価を憂慮してしまう。その上で、自分の力量と成功する確立を秤にかけて失敗を恐れる。
ゲームの世界に生きる僕の周りにも、そういう人が多い。
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築き上げたものに固執する人は結局、自分を成長させるということに対する優先順位が低いのだと思う。新しいことに挑戦する意欲も薄ければ、何かを生み出す創造性も逞しくないのだろう。
それでは、いつまで経ってもトップランナーを超えられない。
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結局、型にはまってしまうのは、失敗を避け、有名になりたいとか、目立ちたいとか、誰かにみとめてもらいたいと願う欲望ではないだろうか。そして、結局はその欲望が自分自身を萎縮させてしまうのだ。
この本を読んで感じたことは、梅原さんの向上心の強さです。
彼は勝つための努力を惜しまない上に、
努力の結果、一度確立したスタイルであってもそれを躊躇無く捨てて、
またゼロから積み上げて行くことで、さらなる高みに登ろうとしています。
しかも、世界一のプレーヤーであるため、相手は他人ではなく自分しかいません。
引用した内容を見てもらえれば分かる通り、
「ゲームの世界だから」等という甘い話ではなく、
棋士やスポーツ選手と同様、日々努力し、精神のコントロールが必要な世界で、
梅原さんは戦っています。
そういうシビアな世界で勝ち続けている人だからこそ、
勝つために必要なことや、勝つことの意味についてここまで書けるのだと思います。
職業がプロゲーマーなので、ゲームの話が中心にはなりますが、
普段ゲームをやらない方でも読みやすい内容になっています。
かなり刺激を受けることができると思いますので、オススメです。
それでは。