新聞の値上げについて考える
こんにちは。
6月10日に朝日新聞、続く6月16日に毎日新聞が購読料の値上げを発表しました。
朝夕刊セットの月額が、朝日は4,400円、毎日は4,300円になります。
この金額を高いと考えるか、安いと考えるかは人それぞれではありますが、
個人的には日々の情報取得に掛かるコストとしては高すぎると思います。
デジタル版を契約すると、朝日が1,980円、毎日が700〜980円と半額以下になるので、
これでやっと他のサブスクリプションサービスと肩を並べる金額になってきますが、
果たしてこれで契約する人がどれだけいるでしょうか。
デジタル版で、紙面をそのまま閲覧できるサービスを利用する場合、
結局3,000〜4,000円程度のお金を取られるので、
ざっくりとした新聞のコストの内訳は、
記事作成(情報自体) 50%、紙面作成・印刷代 25%、人件費(配送費) 25%
という感じになるのかなと思います。
こうした内訳を考えると、記事に対してお金を払うのは理解できるとしても、
残りの50%に対してお金を払うのは無駄な印象を受けます。
もちろん、紙面の一覧性の高さはそれなりの価値があるものだとは思いますが、
そこに掛かるコストとして500〜1,000円を払う気にはなかなかなれません。
昨今では、携帯電話の3大キャリアの格安プランでも同様の状況になっており、
携帯料金の約半分が人件費や店舗の維持等に使われていることが可視化されました。
今後、小売業においても同じ様な現象が発生すると考えており、
人を使うということに対するコストは年々高くなっていくと思いますが、
個人的には、これは良い傾向だと捉えています。
人間の時間は有限なので、できるだけ価値のあることや、やりたいことにフォーカス
するべきですし、人がやらなくて良いことは、どんどん省略化・機械化するべき
だと考えています。
例えば、昔は電車の切符の販売と確認は駅員がやっていましたが、
コストパフォーマンスや作業の正確性を考えれば、
絶対に機械がやった方が良いですし、
このような作業を人がやるべきだと主張する人はほとんどいないと思います。
同じ様に、新聞の配達やレジ打ち等の作業は、わざわざ人がやる必要は無く、
デジタルに情報を伝達したり、セルフレジやRFIDタグ等を利用して支払う形で
対応する方が良いです。
そういう意味では、新聞の値上げについても、ある程度の合理性があるのですが、
納得いかないのは、「知識・教養を深めるための必需品である」として、
軽減税率の対象となっていることです。
以前から、同じ目的である書籍の税率は10%であるのに対して、
新聞が8%となっていることに対して大きな不満を持っていましたが、
税率アップを逃れておいて、自ら10%も値上げするのはどういう理屈でしょうか。
こういうめちゃくちゃな理屈を許していることが、
政府と新聞社に対する信頼を損ねる結果に繋がっていることを、
双方共に理解して欲しいと思います。
私は紙面で購読している新聞は無いので、
とやかく言う筋合いは無いのかもしれませんが、
当然の様に値上げをする新聞社に対して、大きな怒りを感じています。
課税の公平性という観点から、今後このような特別扱いが無くなることを望みます。
(結局は我々の投票が重要なんですけどね。)
それでは。