機械化・AI化によって失われるもの/得られる(かもしれない)もの
今日、以下の記事を読んで思うところがありました。
上記の記事の中に、以下のやりとりがありました。
——機械によって、職人の仕事が奪われてしまう?
春海:そうですね。職人の仕事…というよりも、若手の練習の機会、でしょうか。
昔は、若手が基礎的な部分を担当して技を磨いていたのですが、今はそういった部分は機械で補えてしまう。そうすると、若手が技術を磨くチャンスが減ってしまいますし、良い仕事は技術が高くてキャリアの長い職人さんに集中してしまいます。だから、若手の職人が育ちにくいんです。
これは本当にその通りだな、と思いました。
機械化と聞くと、「熟練の技を機械が実現」みたいなイメージを持ちますが、
当たり前ですが、熟練の技は一朝一夕でコピーできるようなものではありませんし、
アルゴリズム構築や装置設計等も含めると、
数年〜10年位のタイムスケールで実現する可能性がある話なのだと思います。
むしろ、憂慮すべきは、
「今までは若手が下積み的にやってきた仕事が機械に置き換えられてしまい、
将来、現在の技を継承する人間がいなくなってしまうこと」
なのではないでしょうか。
機械が完璧にできるならそれで良いじゃないか、という意見もあると思いますが、
基本的には機械にできるのはコピーであって、進化・発展では無いので、
技術的にはサチレートしてしまう気がしています。
AIが技術を進化させる可能性もありますが、
進化させる方向性をAIに委ねるのは難しいと思っています。
(あくまで個人的にはです。その可能性は否定できません。)
ただ、逆に考えることもできて、
機械が職人の技をちゃんと理解できていれば、
それを教師として教えることもできるのではないでしょうか。
AIの学習プロセスや装置の設計を紐解くことで、
その技がどのような要素で構築されているのかを分析することができるため、
多くの人に理解できるように説明することができる可能性もあると思っています。
また、機械やAIであればコピーも容易なので、
場所や時間にとらわれずに、技術を伝播できる可能性が高いので、
一概に機械化が悪い、という訳でもないように思いました。
当たり前ですが、物事は一長一短だと思うので、
機械化・AI化とどのように付き合っていくのかをちゃんと考える必要がありますね。
それでは。
P. S.
ちょっと考えるところがあって、
ブログのエントリのスタイルを変えて行こうと思っています。
具体的には今までと比べて短めのエントリでも、
どんどん更新していく方向に変えていこうかと考えています。
(かと言って、あんまり短いとTwitter使え、みたいになるけど 笑)
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