青山フラワーマーケットで花を買ってしまう3つの理由
昨年の記事になりますが、とても印象に残っていたので取り上げてみます。
「青山フラワーマーケット」に見る、購買体験から考える新業態の始め方。
僕は青山フラワーマーケットが結構好きで、花を買う時はいつも利用しています。
何故、青山フラワーマーケットで買ってしまうのかを改めて考えてみると、
彼らが花束の購入に対する障壁を下げる為に、
様々な方法で顧客にアプローチしていることに気づきます。
前述の記事では、「気軽」「提案」「販売単位の見直しと商品化」の3つに整理して、
青山フラワーマーケットのアプローチを説明していましたが、
このエントリではキーワードを変えて、解説してみたいと思います。
(内容が被っている部分が結構ありますが。。。)
1. 欲しいものを視覚化する
普通の花屋では、花の種類ごとにまとまっていて、
どういう花束を作ればいいのかをイメージしにくい陳列になっています。
例えて言うと、LEGOブロックがブロックの種類ごとに売られていて、
仮に自分が自動車を作りたいと思った場合でも、
どのブロックをどれだけ買えば良いのか分からない状態に近いのでしょうか。。。
花に詳しい人や色彩感覚に優れた人は、そのような状態でも買えるのかもしれませんが、
普通の人には難しいと思います。
そういう中で、「こういうアレンジがある」というイメージを喚起するような
ブーケをたくさん揃えておくことはとても有効です。
顧客が欲しいものを視覚化することで、購入する確率は上がると思います。
2. 手頃な値段設定
一般の人が日常的な楽しみに使える金額はそれほど多くないため、
日常的に花を楽しもうと思ったら、1,000円以上かかってしまうと難しいと思います。
雑誌は1,000円しないものがほとんどですが、それでも苦戦しているような状態です。
書籍は二極化、雑誌も大苦戦 出版物の推定販売額9年連続で前年割れ - MSN産経ニュース
日常的な楽しみとして考えられるものの1つとして、
スタバのコーヒーを思いつきましたが、
300〜600円位であれば、ちょっとした贅沢として払える金額ではないでしょうか。
青山フラワーマーケットには500円を切る値段設定の商品が置いてあり、
日常的に買っても無理のない値段設定になっているため、
購買に繋がっていると考えられます。
3. 的確な立地
青山フラワーマーケットは駅の近くに立地していることが多く、
しかもベッドタウンの駅をターゲットにしているように見えます。
花・フラワーギフトなら青山フラワーマーケット | SHOPS - 店舗情報-首都圏
山手線圏内や横浜、大宮等の大都市を抑えておけば良い気がしますが、
市川、蒲田、青葉台といったそこまで大きくない駅にも展開しています。
花の購入というと、お祝い事やパーティ等で、
「特別な時に送るもの」という感覚があったように思いますが、
青山フラワーマーケットは「日常的に楽しむもの」として、花を売ろうとしています。
仕事が終わって、地元の駅に戻った時に、
「家でゆっくりするときに花があったらいいな」という気持ちの人に対して、
帰り道に500円前後でキレイなブーケが売っている、という状況が用意できれば、
購入してくれる可能性はかなり高いように思います。
3つの理由を書いてみましたが、
花を売るときに、その素晴らしさをアピールするという方法もありますが、
花を買う時の障壁を下げる、という方法も有効です。
良いサービス、良い商品を提供しているのに顧客に届かない、と考えている方は、
質について考えるのではなく、到達経路についても考えてみると良いかもしれません。
それでは。
- 作者: Aoyama Flower Market
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