研究の本質よりも研究者の容姿が大事なのか? - STAP細胞の報道について-
STAP細胞作成のニュースは、山中教授によるiPS細胞の作成に続き、
科学の世界に大きなインパクトを与える発表でした。
STAP細胞―どんな細胞にもなれる万能細胞の作成に成功 理研・小保方晴子さんら
僕自身が大学でバイオを専攻していたこともあり、
友人の間でもこのニュースに関して、色々な場面で話題にあがっています。
その中で、
「研究の中身に関する話よりも、女子力が高いとか、
美人研究者のような切り口の報道が多く、報道の内容に不満がある」
という意見を、複数の友人が言っていることが気になりました。
僕個人の意見としては、
そういう切り口で報道することは、大いに結構だと考えています。
おそらく、僕の友人達は
「せっかく素晴らしい研究をしているのに、その研究自体にスポットが当たらず、
研究者の容姿や今までの苦労など、副次的な内容の報道に終始していること」
が不満なのだと思います。
しかし、研究の内容を真面目に報道した時に、
果たして何人が興味を持ってニュースを見てくれるのか 、
ということを考える必要があります。
(真面目な報道の必要が無い、という主張ではありません)
視聴率目的の、キャッチーな部分を取り上げた報道であったとしても、
そもそもトップニュースに科学の話題が出ること自体は良いことですし、
むしろ、ある程度年齢を重ねた大学教授の男性が白衣を着て頑張る、
というような一般的な固定概念を振り払うだけでも、
十分に価値があると思います。
もし、その結果として、研究の内容に興味を持つことができれば、
たとえきっかけが研究自体への興味ではなかったとしても、
問題ないのではないでしょうか。
サッカーの世界においても、同じような現象が起こっていると思います。
”セレ女” という言葉が出現したことからも分かる通り、
今、セレッソ大阪は非常に盛り上がっているチームの1つです。
サッカー業界で話題。“セレ女”って何? | フットボールチャンネル
おそらく、熱心なサッカーファンの中には、
「何がセレ女だ。本当にサッカーの楽しさを理解しているのか。」
と思う人はいるのだと思います。
しかし、そういう女性達がスタジアムに来ることで、
観客動員数は上がりますし、サッカーの存在がより身近なものになります。
もしかしたら、最初は柿谷選手の容姿が好きでサッカーを見ていたけど、
サッカーの面白さに気づいてしまう女性が現れるかもしれません。
(実際、結構な人数いると思います。)
科学にしてもサッカーにしても、
興味を持ってくれる人が増えれば増えるほど、その業界は盛り上がりますし、
その世界を目指す人が増えることで、レベルの向上が期待できます。
STAP細胞のニュースも、柿谷選手の人気も、
そういう好循環を生み出す良いきっかけにする必要があるのではないでしょうか。
今回、STAP細胞のニュースは、研究自体の素晴らしさもさることながら、
若い女性が発見したことが、後々の科学界に良い影響を与えるものだと感じています。
たしかに、僕もマスコミの報道にはウンザリしている部分はありますが、
上手く利用できる部分があれば、利用した方が得なのではないかとも思います。
このニュースをきっかけに、若い女性が科学者を目指すようになると良いですね。
それでは。