orangeKid's blog

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算額と集合知

年始から冲方丁さんの天地明察を読んでいるのですが、

その中で出てくる算額がとても気になりました。

 

算額とは、江戸時代に、額や絵馬に問題や解法を記して、

神社仏閣に奉納するものですが、

元々は問題を解くことができたことを神様に感謝するために行われていたそうです。

算額 - Wikipedia

 

しかし、時が経つにつれて、問題のみを書いて奉納する人が出てきて、

その問題を見た別の人が解法を記して奉納する、ということが行われてきたようです。

 

 

今で言えば、Wikiであったり、Yahoo知恵袋などが近いのかもしれませんが、

多くの人の目に触れる場所に自分が抱えている問題を提示し、

その問題を解ける人が解法を教えるというシステムを、

江戸時代には既に活用していたということです。

(算額本来の意味とは違った使い方ではありますが。)

 

Wikipediaによれば、このような習慣は世界中でも例がない、とのことですが、

現代におけるインターネットの使い方をみても、

匿名を好んだり、アスキーアートを作ったりと、

日本人は少し諸外国とは異なった使い方をしているように感じています。

 

算額が匿名で行われたかどうかは分かりませんが、仮にそうだったとしたら、

2ちゃんねるのような匿名掲示板の役割を果たしていたことになります。

 

もしかしたら、個人と集団の関わり方という点においては、

日本人の性質というのはあまり変わっていないのかもしれません。

 

そんなことを考えながら読んでいました。

 

それでは。

 

 

天地明察(上) (角川文庫)

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天地明察(下) (角川文庫)

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