orangeKid's blog

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従業員に経営者目線は必要なのか?

 

僕は脱社畜ブログというブログが好きで、毎回楽しく読んでいるのですが、

その管理者である日野さんが東洋経済オンラインに寄せた記事も面白かったです。

 

従業員に「経営者目線を持て」という謎の要求 | あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

日野さんはかなり過激な主張をされるので、

全て鵜呑みにすると大変なことになると思いますが(すみません)、

記事の内容については基本的には賛成で、従業員が経営者目線を持った瞬間に、

従業員として働くのがバカバカしくて辞めてしまうのではないでしょうか。

 

 

経営者は会社の経営状況を向上させるために、

できかぎり経営コストは下げると同時に、売上を増やしたい。

これはどの経営者でも同じだと思います。

 

一方で、従業員は給与を出来る限り多く欲しいと考えているけれど、

「良い仕事をするので給与を多くして欲しい」と考える人と、

「仕事を頑張る気はないが、給与をを増やして欲しい」と考える人の

2つのパターンがあると思います。

 

経営者としては前者のような従業員はしっかり昇給させて評価する一方で、

後者の従業員は減給しないまでも、現状維持程度に留めておく必要があります。

 

しかし、年次昇給(昇級)といった考え方がベースにあると、

どうしても横並びに給与を上げていく必要があるので、

できる従業員ほど現状に不満を抱く形になってしまいます。

(年次昇級している会社の割合は知りませんが、自分の周りでは多い気がしています。)

 

そこで経営者が使うマジックワードが「経営者目線」です。

 

お前はできる社員なんだから経営者目線で考えてみろ、 

お前の給与を上げて、他の人の給与を下げたらどうなる、

会社全体を考えたらお前の給料はこれで良しとするべきだろ。

 

従業員が自分のクビを自分で締めるような、めちゃくちゃな主張ができてしまうわけです。

 

日本社会でおいては人材流動性が欧米ほど高くないため、

長期的に一つの会社に所属する場合が多いと思いますが、

その前提に立つと、会社全体を考えたら〜〜みたいな主張はかなり有効だと思います。

 

逆に欧米であれば、自分の利益と会社の利益が相反する場合は、

より良い場所を求めて従業員は移動するのではないでしょうか。

 

しかも、欧米の場合は経営者目線を持っている人は経営者になる

という場合も多いと思うので、

日本のように経営者目線を持った従業員という特殊な状況が生まれにくい気がします。

(というか、経営者でなければ経営者目線は持てないと思いますし。)

 

「経営者目線を持て」という主張自体が、

人材の硬直性や、終身雇用といった

日本独特の社会風土に根ざしたものなのではないか、と思いました。

 

以下の2冊は働き方を考える上で参考になると思います。

それでは。

 

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

 
「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)